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BSマイタウン通信

名古屋で出版と古本屋を一人でやっている80過ぎのジジイ。ガンで「ステージ4・余命2年」を宣告され、わが身は「2025年問題」となっている。どうなる、どうする。
●当店の「ホームページ」
http://www.mytown-nagoya.com/
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こんなのいかが「本朝百将伝」 著作権フリー、存分に活用を
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    JUGEMテーマ:ビジネス

     

    ●日本の武将100人を描いて“見せる”化

     

     本書は当店の所蔵している和本で、名将と呼ばれるにふさわしい100人の武将を集めた版画集だ。記紀に登場する道臣命(みちのおみのみこと)から戦国時代に終止符を打った豊臣秀吉に至るまで、計100人を取り上げている。それぞれの武将の姿を描き、その上に林道春(羅山)の賛がある。

     

     

     使用した本の表紙は傷みが激しいものの、本文は奇跡的に虫食いや傷みもない。内容的にも貴重で興味深く、ここに復刻出版することにした。ただ残念なのは奥付を欠いており、発行年や出版者名などが分からないことだ。

     

     

     同名の本が国会図書館にある。それによると明暦2年(1656)に大西与三左衛門尉俊光によって出されており、乾坤二冊から成っている。当店の所蔵する本はそれが一冊にまとめられており、その後に増刷されたと思われる。

     

     

     版はまったく同じものを使用しているが、表紙に付けられた題名の書体は異なっている。当方の本のサイズは縦が約30.5センチ、横が約23.0センチで、いまでいうA4を少し上回るほどの大判である。復刻するに当たっては87%に縮小した(ただし、表紙は50%に)。

     

     

     使用した本は一冊にまとめられているが、乾坤二冊から成る初版は乾の巻が源頼朝で終わり、坤は源義経から始まっている。また、ごく一部には並べる順序の違うところもある。

     

     

     数多の武将の中から100人を選び出すのは大変な作業と思われる。神話などで登場してくる人物が多かったり、いまではなじみ深い戦国時代の武将が少なかったりしているのも、当時の時代や人々の意識を反映してのものであろう。同書の出版は江戸時代に入った比較的早い時期で、後に出る「日本百将伝」などの参考にもされていったと思われる。

     

     

     この本は歴史に登場した名将たちを視覚的に表現していて興味深いものがある。より広く利用していただくため、著作権フリーで提供することにした。教材や印刷物、ホームページなどでこのまま使用したり、あるいは着色・加工するなどして自由に活用していただいても構わない。

     

     

     先に戦国時代の武将の紹介は少ないと書いた。これに類するものとして当店では「自由に使える戦国武将肖像画集」「忠臣蔵外伝 『忠義画像』を読む」も出している。こちらも著作権フリーにしており、同様に活用していただいても構わない。

     

    本はB5判・袋とじ108頁・2800円+税。ブックショップマイタウン 刊。

     

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