2010.07.23 Friday
尾張藩は女系図の“お亀帝国”
鬼頭さんの新著『女たちの徳川』は歴史を女の目でも見よと教えてくれている。とかく表舞台で活躍する男ばかりに目が行きがちだが、その実、陰で男を動かしているのが女なのである。あなただって奥様に体よく操られているのでは?
同著によると、お亀の方は家康お抱えの御陣女郎だった。御陣女郎というのは戦場に赴いて色々な“お仕事”をする女性たちだ。これらのギョームなど詳しいことは本を読んでほしいが、近年、古戦場から女性の骨が意外に多く出てくることに関心が高まっている。 お亀の方が御陣女郎のときに生んだのが竹腰正信・石川光忠・仙千代(早世)だ。その後、家康に見初められて側室となり、2人の間にできたのが尾張藩祖となる義直だった。お亀の方の兄弟には志水忠宗や家康の側近山下氏勝の妻になった女性などもいる。 尾張藩に置かれた5人の1万石以上の“家老”のうち、竹腰・石河・志水の3人がお亀の方から出て、代々、藩主を支えることになる(他の2家、成瀬・渡辺は家康なじみの三河出身)。こうして見てくると尾張藩はお亀の方の系図で塗り固められた“お亀帝国”と言っても過言ではない。そして、その父親が石清水八幡の修験であり、長々と書いてきたが、マルハチの由縁もここにあったというわけだ。 尾張藩はお亀の方を求心力として成り立っていた。女の目で歴史を見つめ直した鬼頭先生の本は近々出来上がってくる予定。A5判・120頁・税込み2100円(200部)。 |